漁港の街 パロ

崖沿いの小さな宿屋。
その一室に二つの人影があった。



夕日が差し込む薄暗い部屋。
そのベットに腰を掛けているのは アンジェラだった。
だがアンジェラは、どこかふてくされたような、それでいて泣きそうな複雑な顔をして 自分の足元に屈んだリースをじとっと見つめていた。


しかしリースはそんなアンジェラの視線に気づく素振りを見せず、無言のままに汲んできた井戸水を桶にあけた。
そしてリースは徐に手を伸ばすと、形の良いアンジェラ足をそっと持ち上げて桶の中に誘った。

水の冷たさにアンジェラの足がひくりと震えたけれど、リースは無言だった。――そしてアンジェラも何も言わなかった。


清らかな水の中にある白い足―――それは酷く浮腫んで 所々に青痣、血の滲みが見えた。
渇いてパラパラと剥がれ落ちていく泥が、白い足にはあまりにも不釣り合いに見えたのか、リースが微かに顔を顰めたのが分かった。



そんなリースの様子に、アンジェラはますます俯いた・・・・。
そしてぎゅっと唇を噛んだ。

『普段』なら…にっこりと笑って話しかけてくれるはずのリースは―――ただ沈黙している。

だけどアンジェラに触れるその手は―――――酷く優しかった。

痛々しいほどに浮腫んだ足と傷を丁寧に洗う手付きはどこまでも優しく、まるで大切で愛おしい物を触れるかのように 温かい・・・--が
その顔つきは 手つきとは正反対に険しく 強張っていた。



先程から黙々と治療を続けるリースを見て アンジェラはただただ口を閉ざしていた。
その表情はまるで・・・すねた子供のようでもあり、叱られるのを恐れる子供のようでもあった。


実際…素直に言葉を出すことがどうしても躊躇われて、アンジェラはただ 幼い子供のように不貞腐れているしかできなかった。
だって・・・その表情 雰囲気からして分かっていたからだ。



リースが――――――『怒っている』ことが。





**



アンジェラは今まで こんなリースを見た事がなかった。

正確に言えば――これ程怒りを露わにしている彼女を見た事が無かった。


リースはいつでもにこにこと笑っている。―――けれど 戦闘になれば驚くほど凛として勇ましく それは戦士そのもので
だらしのないデュランを叱ったりする時はまるで姉のようで、・・・そしてアンジェラの前では驚くほど大人びて優しく 強い顔をする…。



なのに今の顔は…そのどれでも無い---。





デュランは…この空気をいち早く感じ取っていそいそと退散していた。



確かに、リースは普段穏やかで優しいが 感情を高ぶらせると空気がピリッとする。
それは彼女が『国を治める使命』を持っている者―――だからだろう。


『王女』という肩書はアンジェラだって持っているけれど、アンジェラが怒っても今の様な『緊張感』は生まれない。
アンジェラが感情を爆発させる時はいつだって、幼い子供のそれと何も変わらないのだ。

リースはアンジェラとは―――全く違う。
彼女は年下なのにとても大人びていて、しっかりして…凛としていて…。
アンジェラの方が幼い子供のように感じることさえある・・・。


・・・―――今みたいに…。






アンジェラはあからさまに不機嫌なリースを目の前に なす術が無かった。
言わなければいけない言葉は 分かっている。それでも―――素直にその言葉が出てくれない。



――――・・・リースが何故こんなに『怒っている』のか・・―アンジェラは心当たりがあった。



あるからこそ・・・アンジェラは何も言うことができなかった―――。













――アンジェラは リースの『目的』を邪魔してしまったのだ。







今日は リースの故郷 『風の谷 ローラント』へ向かうことになっていた。
リースの何よりも愛する国はとある日モンスターに攻め入られた。
愛するエリオットを攫われ 父である国王もその命を奪われ、ローラントは没落しモンスターの巣窟となった。


リースがこの旅に加わった理由の一つは…『ローラント』を奪還する為だった。
長い旅の末、力強い仲間と彼女自身の力を得て ようやくその目的を成し遂げようとしていた。



―――その大事な『目的』を――他ならぬアンジェラが妨害したのだった。



・・・・・ローラントに向かう為に立ちはだかる『天かける道』は・・・・――あまりにも過酷だった。



急な斜面。険しい道のり・・・。襲い来るモンスター。
空気は薄く、体力を奪われるその坂道は・・・・魔術師のアンジェラにとってあまりにも酷な道のりだった。
剣士であるデュランとアマゾネスであるリースと違い、どうしても体力がついて行かなかった。


次々に襲撃してくるモンスターがアンジェラの僅かな体力を容赦なく削った。
まんまるドロップを口に放り込み、噛み砕きながら必死に呪文を唱えても、詠唱は間に合わなかった。
呪文すら唱えられない自分の眼の前でデュランの剣とリースの槍がモンスターをなぎ払う。
そうして道を切り開きながら 必死に急な崖を駆けあがった。

足手まといにならないようにと、迷惑にならないように・・自分を叱って必死に着いて行った――・・が―――『限界』はすぐに来た。




――気がついた時、地面に倒れ伏していた。
足はすでにパンパンに浮腫んでいて、傷だらけだった・・・。
しかも過労が蓄積した足は自分の意志ではどうにもならないほどに震えて 立つことも叶わなかった。




アンジェラの異変にいち早く気づいたのは―――リースだった。


『大丈夫だ』と――豪語するアンジェラを遮って リースはアンジェラを抱きかかえて 有無を言わさず下山を始めた。
リースの腕の中で暴れて喚いたが、リースは頑として意見を変えなかった。


デュランが一人でモンスターを倒しながら、道を切り開いていき、リースがそれに続く。

リースは――――その間一言も言葉を零さなかった。


**

**






何もできない自分は―――ただリースに抱きかかえられていた…。
襲い来るモンスターをデュランが一人で蹴散らす姿を見て・・・

襲い来る感情に―――ただ唇を噛みしめて耐えた。




ここで泣くなんて 本当に迷惑にしかならないから・・・必死に嗚咽を殺した。



無言のまま今来た道をひたすらに戻る二人の背中を見て・・胸が苦しかった。




―――罵ってくれた方がまだ楽だったのに――・・・。







***






強行軍で崖を一気に下り、漁港の街 パロで宿を取った。


――自分を置いていけ とアンジェラは騒いだ。
だが――リースは取り合わなかった。


このパーティーには回復魔法を使える者がいない。――けれど、リースもデュランも手慣れていた。
デュランは『はちみつドリンク』を一気に飲み干して体力を回復すると、そそくさとこの場を退散した。




そして今に至るのだ――










リースは不意に立ち上がると、袋の中から小瓶を取り出した。
中には薄緑色の液体が入っている・・・。このパーティに欠かせないポトの油だった。


リースはその油を丁寧にアンジェラの足の傷に塗りこんで、そっと布で抑えた。
そうこうするうちに、アンジェラの傷はすべてきちんと手当てされていた。




だが・・今になっても足は力が入らず、とても立てる状態ではないと―――自分で嫌というほどに感じた。




熱を持った足は じんじんと脈打つ鋭い痛みを伴ってきた。
冷たい水で冷やしてもらったおかげでだいぶ治まったものの、まだ腫れが引かない…。


後…二・三日は無理だろう・・・・。



―――アンジェラは心底自分が情けなくて、唇を噛んだ。




風の王国 ローラントに―――――リースは一刻も早く帰りたいのに・・・。
愛する国を取り戻して、早く仲間達と会いたいのに。


こんな所で・・こんなことをしている場合ではないのに…。






――心が・・・突き刺されるように痛かった。

時間は戻らない―――。
こうしている間にも―――魔物はローラントを喰いつくしている…。
今日は―――そんなローラントに希望の風を吹き込む事が出来る―――好機だったのに。

リースだけではない。
ローラント――全ての人達に希望をもたらす大切な日だったのに。


・・・その足止めをさせてしまったのは他ならぬ自分――――――・・・









突如・・・・・リースが立ち上がった。
そしてアンジェラを少しも見ることなく――――何も言わぬまま部屋を出て行った。






バタンッと閉じられたドアの音が―――冷たくアンジェラの心を打った…。










リースが――『怒っている』のが分かる。
苛立って、それでも言葉で伝えるのを堪えてるのがわかる・・。





腸が…煮え返るほどの焦燥感と苛立ちに―――――胸を焦がしているのだろう…。

当たり前だ―――。


―――――――ローラントに早く戻りたいのだから。



リースのなによりも大切にする――国の命運が掛っていたのだ。
こんな所で…こんなくだらない『理由』で――もたもたしているわけにはいかないのだ・・・。




眼と鼻の先に・・リースがあれほど焦がれた国がある。
それを取り戻せるだけの 力もある。

あの崖を超えるだけで――――足を踏み入れられる。



それなのに―――――その全てをめちゃくちゃにした人間がここに居る・・・。



自分でああ言ったくせに―――分かっていた。

立てないアンジェラを抱えて、敵のいる城に乗り込めるわけがない・・・。
だが――あのモンスターが溢れる崖に・・・置き去りになんて、リースができるわけがない…。
そして―――――この小さな宿の部屋に――動けない自分を置いて行けるわけがない。


この状況で選ぶことができる選択肢なんて…リースには『一つ』しか許されていなかったのだ。








怒るのも無理はない・・・。
苛立つのも・・・。
――――――――落胆するのも。



アンジェラは桃色の唇をぎゅっと噛みしめた。





そう・・・いつも いつでも・・・『期待』に添うことができない自分。
だから母からも 見捨てられてしまったのだ・・・。


大いなる魔道師の家系に生まれながらも 一つの魔法も覚えることができなかった。
母はそれに酷く失望していた。
偉大な魔術師と称えられた母だからこそ、そんな娘は失望と苛立ちの対象でしかなったのだ・・・。

アンジェラも・・・陰でたくさん努力した。
その姿は人には決して見せなかったけれど、図書室の本を読み漁り、徹夜で魔術に励んだ。
少しでも少しでも・・・母の期待の添えるようにと・・・。

でも・・・残酷なほどに成果は現れなかった…。
そんな自分を見る度に ますます・・・母の視線は冷たく凍りつき、自分から遠ざかって行った。



それが辛くて、切なくて たまらなくて・・・。
でも・・・泣いても母の迷惑になるだけだと知ったから・・あの日から母の前だけでも泣かないようにした。


泣くことは駄目だったから…だからせめて

幼い 子供のように

我儘にふるまって 悪戯をして周りを困らせた・・・

そうすれば少しでも ほんの少しでも母の視線がこちらを向いてくれるのではないか・・そう・・淡い期待に胸を震わせて・・・。


でも結局 母の瞳はアンジェラを見ることはなかった。




ぞっ・・・と突如アンジェラは鳥肌を立てた・・・。


そして 閉じた扉を・・・茫然と見つめた・・・。




――――――デュランも・・・そしてリースも・・


『失望』したのかもしれない・・。


聖霊の力で『魔法』が使えるようになったって・・・――あの崖では魔法の詠唱が間に合わなかった。
それだけじゃない―――こんな大事な時に足を引っ張ってしまった・・・

あんな崖すら・・登れないなんて―――。





『邪魔』だと・・思われてしまったかもしれない…。





『もう・・・いらない』―――って・・・




***




リースは宿の者に頼んで竈を借り、はちみつドリンクを人肌程度に温めていた。
それからプイプイ草を潰し液状にしたものを布に浸す。
これは足の浮腫みによく効く・・と教えてくれたのは生前アマゾネスリーダーだった母だった。


ゆらりと揺れる竈の火を見つめながら、リースは翡翠の瞳を伏せる。
その顔にはまだ、隠しきれない怒りが陰った。



宿の者に礼をいい、マグカップと浸した桶を持ってリースはアンジェラの待つ部屋へと戻った。

だが 扉を開ける直前 微かな声を聞いて、思わず足を止めた。



それは―――――あまりにも痛々しく 弱々しい声だった。
思い切り泣きたいのを必死に堪えて――それでも耐えきれず漏れた あまりにも切ない泣声だった。



リースはそっと扉を開いた。

そこには 身体をちぢこませ 声を殺して泣くアンジェラの姿があった。

「・・・アンジェラさん・・」

思わず毀れた声に、アンジェラの体か驚いたようにピクリと動いた。
「・・・なっなによ!急に入ってこないでよ!」

アンジェラは顔を上げず必死に目を拭い 涙を止めようとしていた。

「なんでもないの!ちょっと・・眼が居たくなっただけなの!・・・っあっちに行って!」


その声は震えていた。必死に顔を伏せ 涙を隠そうとするその姿にたまらずに近づいて、リースは手を伸ばした。
そしてそっとアンジェラの顔を覗き込んで その濡れた頬に触れた。


「・・・どうして泣いているのですか?まだ足が痛みますか・・・・?」

リースの問いかけにアンジェラは必死に首を振る。
そして痛々しいほどに唇を噛む。
それでも涙は止まらずにその白い頬を毀れ落ちて行った。



その姿にリースは胸を突かれた。



「どうしたんですか…どこか辛いですか?」


アンジェラは首を振る。

「何があったんですか?デュランさんが何か言ったんですか?」

首を振る・・・。


「・・・う」

「え?」
「・・・ち・・がう」

嗚咽に混じったアンジェラの声は聞き取りづらく、リースは更に顔を近づける。


「アンジェラさん・・?」


「・――――――・私…もっと頑張るから・・・ッ」

「・・・え?」

アンジェラの声は悲痛なくらいに震えた。


「もう 足手まといにならないから・・・ッ」


「・・アンジェラさ・・」

「あんな崖・・・今度はちゃんと登って見せるから・・・ッ」




「だから・・・・・・お願・・い・・・ッ・・」





―――――・・・ 嫌わないで





アンジェラのあまりにもか細いその言葉に、リースは目を丸くする。
次の瞬間――全てを理解した。



大地の裂け目で 母から反逆罪として抹殺命令が出されていたことを知った時のアンジェラの姿・・

いつもはあんなに強気で、我儘に振舞っていたはずなのに・・・

絶望に打ちひしがされて、その場で泣き崩れた。




我儘に振る舞っていても  無邪気な子供のように感情を爆発させても 強がっていても
この華奢な女性は――本当は愛情に飢えて 不安と孤独感に包まれて・・・こんなにも傷ついて 震えているのだ。



――自分が犯した過ちを瞬時に理解してにリースはアンジェラを抱きしめた。

アンジェラが驚いたように抵抗したが リースは強く抱き寄せた。


「――アンジェラさんを嫌いになることなんて 絶対にありません・・・絶対にです!」

リースの力強い言葉に、腕の中のアンジェラの身体が反抗を止めた。
その身体を更に強く抱きしめて、耳元で囁いた。

「―――私も・・・それにデュランさんも アンジェラさんの事大好きなんですから!」


優しく微笑むリースにアンジェラは涙に濡れた顔をキョトンとさせた。
そしてその顔がぐしゃりと歪む。


「・・・うそ!」
「嘘じゃありません!アンジェラさんが大好きです!」
「嘘よ!」
「嘘じゃありません」

「―――なによ!だっ・・だって・・・リース怒っていたじゃない!」


怒りながら涙を流すアンジェラの頬を撫でて、リースはふと固い顔をした。

「・・そりゃ・・・怒りますよ!」
リースはアンジェラの足にプイプイ草を浸み込ませた布を当てた。



「どうしてこんなになるまで、黙っていたんですか!?」
「え・・?」
「どうして黙っていたのかと 聞いているんです」
「・・・?え・・?」

唐突のリースの質問にアンジェラが困ったような顔をした。
質問の意味が分からないといった感じだ。
それを見たリースが爆発した。


「――『え?』じゃありません!こんなに腫らしてッ!・・立てなくなるまで無理して・・!」
「だ・・・だって」
「もう少し遅かったら 足が死んでしまったかもしれない!」
「・・・でもっ」
「でもじゃありません!こんなに傷ついてとても痛かったでしょう?体力だって辛かったんでしょう?それなのに黙って無理をしていた!」
「でも・・」

「どうしてもっと自分を大切に出来ないんですか!あなたって人は!」
「・・・ッ」
リースの剣幕に思わず言葉を失いアンジェラはシュンとうなだれる。

だが同時に、小さな声が続いた。
「・・・・それに 私は自分にもとても怒っています」
「・・え?」
アンジェラはその告白にキョトンとリースを見た。

「・・・アンジェラさんのこと・・・どうして気付いてあげられなかったのかな・・・って
あんな急な崖はアンジェラさんにとってすごく辛いのは分かっていて当然なのに、焦りに囚われて 気づいてあげられなかった・・。
そんな私を見たからこそ、アンジェラさんが無理をしてしまったんだ・・と思ったら・・そんな自分が・・・すごく許せなくて・・」

そう言ってリースはそっとその唇をアンジェラの足に寄せた。

「とても綺麗な足なのに・・・こんなに傷つけてしまった・・・ごめんなさい・・・アンジェラさん・・」

その瞬間 アンジェラの顔が燃えるように赤くなった。
その反応にリースはクスリ と笑う。

「・・・えへへ。アンジェラさんのすごく可愛い顔 見ちゃいました」

その言葉に さらにアンジェラは顔を赤くし慌てて顔を覆う。
リースは微笑んでそっとその頬を包み込む。

「どうして隠すんですか?・・・顔・・見せてください・アンジェラさん」
アンジェラは首を振る。すでに耳まで赤く染まっている。

この人はこういう所がこの上なく可愛らしいとリースは思う。

アンジェラの華奢な体を優しく包み込んで リースは囁いた。

「どうか これからは無理しないでください。辛かったら言ってください。―――言われない方が 何倍も辛いから・・・。」

優しい囁きに、アンジェラの身体がピクリと動く。

「・・・そしてアンジェラさんが私の事を想って無理をしてくれたことは分かっています。
いけない事だけと・・・そんなアンジェラさんの気持ちがとても嬉しかったことも本当なんです。―――ありがとう・・アンジェラさん・・・」


ほんのりと桃色に染まった身体を抱き寄せて、その白い額にリースは口付けを落とす。

「世界で一番大好きです・・・アンジェラさん」



***



「・・ただいま~」

手にたくさんの荷物を抱えたデュランが恐る恐る帰ってきたのは夜・・・星が輝く頃だった。

「おかえりなさい デュランさん」
にこやかに迎えたリースを見て、デュランはほ~と安堵のため息を漏らした。



「アンジェラは?」
「今 ぐっすり眠ってます」

そうリースはにっこりほほ笑む。
その視線の先には安らかな寝顔を浮かべるアンジェラがいた。

デュランもやれやれと胸をなでおろした。
アンジェラのあの顔・・そしてリースのあの表情からどんなことになるやらとヒヤヒヤしていたのだが、どうやら二人の喧嘩は終結したらしい。


「あっこれ・・はちみつドリンクとぱっくんチョコあと、走りながらでも食えるまんまるドロップたくさん買ってきたぜ!あとポトの油とか天使の聖杯もできるだけ!」

「ありがとうございます」

「アンジェラのことだけど・・・そのなんだ・・・途中までなら俺が抱いてっても」
「デュランさん!」

嫌ににこやかな笑顔のリースを見て、デュランは思わず凍る。
「アンジェラさんは『私が』守りますから デュランさんはモンスターをお願いしますね」

「はい・・・」
有無を言わせない笑顔に、デュランは笑いを引き攣らせてこくりと頷いた。



END


 

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