―――ああ・・ヤバイアル


桜が散る その風の中で神楽は想う。


桜が舞い踊る その空間で男がそっと手を伸ばし その黒髪を愛しげに撫でた・・・。
撫でられた少年の顔が 桜の花のように赤く染まったのは気のせいではないだろう・・・。


ああ・・・駄目だ・・・これはヤバいネ




手が離れた瞬間・・・切なそうにそして嬉しそうに眼を細めるそんな顔は 見たこと無かった。

その視線が全てを語っているのだろうと思った…。



こんなの 銀ちゃんに見られたら・・・・『あいつ』殺されるアル






神楽はそう 日傘を握り締める・・・強く…強く






【桜の花 風に消えて】






「新八は・・・あのマヨラ―が好きアルか?」


そう訪ねた瞬間・・・問われた相手のその顔には すでに答えが出ていた。


あぁ・・・どうして・・・?


そんなに 好きなのか・・・・?
隠しきれないほどに・・・。



神楽はそれを見て、はぁと空を仰ぐ


空が眩しい反面 心が曇る




きっと 銀ちゃんは許してくれないネ・・・

きっとお前を 殺してしまうネ



他の誰かのモノになったことを受け入れられるほど アイツは強い奴じゃないアル



そして




「マミィを守るのは…娘の役目ネ・・・だけど」




ごめんアル・・・




そう囁くと、少年はきょとんとした顔をする。



そんな少年に 手を伸ばす


皮肉気に 笑んだまま






アタシも・・・許せないから 


お前を



殺してしまうネ・・・






END 





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